LY Lily開発の経緯と進捗状況
2018年(平成30年)9月
市場出荷販売によって聞き取りをしてきたOT百合の販売側の声。
生花店において開花して販売されているOT百合の店頭の様子。
その声を長く聞いてきた中で、花が傷みやすかったり豪快に咲いてくれるが長持ちしにくかったりする意見も聞いてきました。こういうことに対応するべく生産側は栽培技術を駆使し品質を上げることでそれらの課題に向かい合ってきました。
2018年9月 都内生花店店頭で行って頂いた産地フェアで百合をよく飾って楽しんでおられる男性との出会いがありました。その男性は百合を非常に丁寧に飾ってくれていました。奥様の為に花を飾ってくれる中で百合をとても良く飾ってくれています。
その男性からの質問で、「最後の蕾まで開花しにくいことがあり、それをどう飾ればより咲きますか?」という質問をされました。
大輪の白、ピンク、だけではオリエンタル百合かOT百合か判別がつきませんでしたが話を進めるうちにオレンジや黄色の色が話題に出たので、OT百合のことであることが分かりました。
その話がきっかけで、OT百合を店頭で販売する生花店さんに聞き取り調査をすると、花粉処理を行うときに花弁が傷みやすいという声。開花したOT百合を花束にする時に満開で作製した後で花の表情が早く変わってしまう声。
こういう聞き取り事例と都内で聞き取りをすることが出来た男性(Y様)の話を繋げてOT百合は非常に多くの水を吸って開花に向っていく中で開花と共に何らかの影響で吸い上げる水の供給量不足が発生しているのではないかと仮定することが出来ました。
また、男性の話からその状況は様々な期間で見られ販売されているOT百合の品質よりも
OT百合本来が持つ性質として捉えるべきと判断出来ました。
百合らしい豪華さ、多彩な花色、蕾の様子から見ても立派な姿。それらから店頭販売ではお客様が多くの百合がある中でOT百合を手に取る方がとても多い場面を見ることが出来ました。
その様子を見て、この課題に対し何かの対応をすることで飾って頂いているお客様により楽しんでもらえる、喜んでもらえるに違いないと思いました。
百合を好んで飾って下さったユーザーの声。これらの様々なOT百合が咲く場面から検討が必要と判断し、魚沼花き園芸組合技術委員会、JA北魚沼とで議論検討を開始しました。
同月
パレス化学(株)と魚沼市内において検討会開催。前処理開発を行うことで合意。
試験剤としてLY00で試験を行うこととする。(LY00パレス化学㈱から提供された試薬)
10月
LY00での開花試験開始(JA北魚沼管内)
色毎の違い、品種毎の差を確認する。
ザンベジ・イエローウィンにおいて未処理との大きな差を確認する。
パレス化学㈱において、新剤開発が産地連携の中で開始される。
2019年(令和1年)
LY00(試薬)において、一定の効果が確認出来たザンベジ・イエローウィン限定での
市場出荷を行うことを決定。(JA北魚沼。前処理済出荷箱表記)
6月 ザンベジ・イエローウィン出荷開始(JA北魚沼 LY00前処理済)
6月 栃木県宇都宮市 JAうつのみや JAうつのみや球根切花専門部と産地連携による新剤開発を行うことを決定。周年試験研究を行える体制に。
10月 新剤開発24番目となるLY24で効果を確認し開花試験を繰り返す。
LY24の調整を繰り返しLY25の新剤が完成
11月 JAうつのみや LY00での市場出荷開始
2020年
2月 パレス化学(株)にて全体会議
LY25を出荷に使用して取り組みをブランド化することについて協議
5月 取り組みブランド名を LY Lilyとすることを決定。
LY25を出荷レベルでの使用を決定。
2020年6月現在
LY25をベースにした新剤開発は60を越えて今だ開発継続中