『LY Lily』 OTハイブリッドユリ前処理ブランドサイト

『LY Lily』の取り組みを紹介するブログサイトです。

LY Lilyご説明  We are working on the OT hybrid lily bloom much more beautiful.

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『LY Lilyロゴマーク




『LY Lily』とは、

パレス化学(株)

 

JAうつのみや

JAうつのみや球根切花専門部


JA北魚沼

魚沼花き園芸組合

との共同研究により生まれたOTハイブリッドリリーのブランド名です。

 

共同研究により開発した、前処理剤を使用しております。

 

LY Lilyは、蕾を太らせながらゆっくり咲きます。

一花一花が充実した状態で蕾を花開かせてくれます。

長持ちします。

切り花でありながら、根付きの自然な開花に近い姿で咲いてくれます。

この処理を行うことにより、
開花が早くなる夏は、開花後に花と蕾を太らせながらしっかり咲いてくれます。
晩秋以降、気温が低い時期においては吸水する力が落ちずに開花に向かうので開花が非常にスムーズです。
令和1年に出荷で使用していたLY00使用時においても、ご購入頂いた方々よりその効果を体感して頂くことが出来ました。
それを更にスペックアップしたものが『LY Lily』です。

 

様々なこの百合を使った装飾やご自宅で百合を飾る場面など多くの場面において

LY Lilyは素晴らしい百合の花を咲かせてくれます。

 


Lily(百合)の名前はLから始まりYで終わっています。

このLとYを使い、最初から最後の花まで喜んで飾って頂きたい気持ちを込め

LY Lily と名付けました。

 

2020年お届け出来るLY Lilyラインナップは

ザンベジ(白) イエローウィン(黄) です。

鑑賞時は、花瓶に栄養剤を使用することをお勧めします。
(パレス化学㈱販売の華の精を使用されることを推奨しております。)

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LY Lilyザンベジ

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LY Lilyイエローウィン

 

We are working on the OT hybrid lily bloom much more beautiful.
 
We would like to convey the original charm of OT hybrid lily by
pretreatment the harvested OT hybrid lily.
 
This project is named as "LY Lily" and our team consists of 
Palace Chemical Co.,Ltd. JA Utsunomiya and JA Kita-uonuma.
 
This blog will spread our effort.
 
We hope that all of the people are related in
OT hybrid lily will know about this project.




LY Lilyの開花。

LY Lilyの開花の様子をお伝えします。

写真の様子は2019年9月 JA北魚沼管内にて魚沼花き園芸組合技術委員会が行ったものです。

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LY Lilyザンベジと水のみとの比較です。

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LY Lilyイエローウィンと水のみの比較です。


水のみ区は、収穫後に水にて水揚げを行い、鑑賞時も水のみです。

LY Lily区は、収穫後LY Lily処理剤で前処理を行い、鑑賞時は華の精を入れた水です。

 

開花試験は、産地にて収穫し処理したものを市場出荷と同じように乾式横箱にて箱詰めし保冷庫10℃に3日入れたものを水切りした後で開花試験を行ったものです。
(乾式横箱においてトラック冷蔵輸送を想定した環境を意識して行っています)

※華の精とは、パレス化学(株)が販売している切り花鑑賞時に花瓶に入れることで
花を長持ちして良く咲かせてくれる商品です。

LY Lily開発の経緯と進捗状況

2018年(平成30年)9月

市場出荷販売によって聞き取りをしてきたOT百合の販売側の声。
生花店において開花して販売されているOT百合の店頭の様子。
その声を長く聞いてきた中で、花が傷みやすかったり豪快に咲いてくれるが長持ちしにくかったりする意見も聞いてきました。こういうことに対応するべく生産側は栽培技術を駆使し品質を上げることでそれらの課題に向かい合ってきました。

 

2018年9月 都内生花店店頭で行って頂いた産地フェアで百合をよく飾って楽しんでおられる男性との出会いがありました。その男性は百合を非常に丁寧に飾ってくれていました。奥様の為に花を飾ってくれる中で百合をとても良く飾ってくれています。

 

その男性からの質問で、「最後の蕾まで開花しにくいことがあり、それをどう飾ればより咲きますか?」という質問をされました。

大輪の白、ピンク、だけではオリエンタル百合かOT百合か判別がつきませんでしたが話を進めるうちにオレンジや黄色の色が話題に出たので、OT百合のことであることが分かりました。

 

その話がきっかけで、OT百合を店頭で販売する生花店さんに聞き取り調査をすると、花粉処理を行うときに花弁が傷みやすいという声。開花したOT百合を花束にする時に満開で作製した後で花の表情が早く変わってしまう声。

こういう聞き取り事例と都内で聞き取りをすることが出来た男性(Y様)の話を繋げてOT百合は非常に多くの水を吸って開花に向っていく中で開花と共に何らかの影響で吸い上げる水の供給量不足が発生しているのではないかと仮定することが出来ました。

また、男性の話からその状況は様々な期間で見られ販売されているOT百合の品質よりも
OT百合本来が持つ性質として捉えるべきと判断出来ました。
百合らしい豪華さ、多彩な花色、蕾の様子から見ても立派な姿。それらから店頭販売ではお客様が多くの百合がある中でOT百合を手に取る方がとても多い場面を見ることが出来ました。

その様子を見て、この課題に対し何かの対応をすることで飾って頂いているお客様により楽しんでもらえる、喜んでもらえるに違いないと思いました。


百合を好んで飾って下さったユーザーの声。これらの様々なOT百合が咲く場面から検討が必要と判断し、魚沼花き園芸組合技術委員会、JA北魚沼とで議論検討を開始しました。

 

同月 

パレス化学(株)と魚沼市内において検討会開催。前処理開発を行うことで合意。

試験剤としてLY00で試験を行うこととする。(LY00パレス化学㈱から提供された試薬)

 

10月
LY00での開花試験開始(JA北魚沼管内)

色毎の違い、品種毎の差を確認する。
ザンベジ・イエローウィンにおいて未処理との大きな差を確認する。
パレス化学㈱において、新剤開発が産地連携の中で開始される。

 

2019年(令和1年)

LY00(試薬)において、一定の効果が確認出来たザンベジ・イエローウィン限定での
市場出荷を行うことを決定。(JA北魚沼。前処理済出荷箱表記)


6月 ザンベジ・イエローウィン出荷開始(JA北魚沼 LY00前処理済)

6月 栃木県宇都宮市 JAうつのみや JAうつのみや球根切花専門部と産地連携による新剤開発を行うことを決定。周年試験研究を行える体制に。

 

10月 新剤開発24番目となるLY24で効果を確認し開花試験を繰り返す。
   LY24の調整を繰り返しLY25の新剤が完成

11月 JAうつのみや LY00での市場出荷開始

 

2020年

2月 パレス化学(株)にて全体会議

LY25を出荷に使用して取り組みをブランド化することについて協議


5月 取り組みブランド名を LY Lilyとすることを決定。
LY25を出荷レベルでの使用を決定。

2020年6月現在

LY25をベースにした新剤開発は60を越えて今だ開発継続中

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JA北魚沼 魚沼花き園芸組合開花試験の様子

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JAうつのみや JAうつのみや球根切花専門部 開花試験の様子

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開発メンバーであるパレス化学(株)の皆さん

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私どもの思い

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『百合が綺麗に咲いたよ。』

私どもが、困難な開発と研究を諦めずに続けてこれたのは

百合を飾って下さるユーザーの方からこの声を聞くことを

諦めなかったからです。

 

多くの百合が生産され、生花店の店頭や様々な装飾を華やかにしてくれて

います。

オランダにおいて多くのユリが育成され、その中でOTユリは大輪のユリの

ラインナップを大きく広げてくれました。

また、その中でこのOT百合が持つ切り花としての課題に直面しました。

その課題は、百合の栽培での品質ではなくその百合の血統が持つ課題であることを知ります。
この課題をどう乗り越えて行くか・・・・。

その方法を、生産地での収穫後の前処理を行うことで克服できないか?という視点で
検討を重ねてきました。

私どもは、大輪のユリという枠ではなくOTユリに限定した取り組みを展開し

その中でも一番最初に成果の兆候を示したザンベジ(白)とイエローウィン(黄)に絞り込んだ開発に焦点を絞り込みました。

 

LYという開発コード。
01から始まった前処理剤の開発と開花試験による検証は、トライとエラーを繰り返しました。
パレス化学(株)で新剤を作り出す。それを産地で処理をしては開花試験を行う行程は、非常に大変なものでした。

 

そのLY01から始まった試験が、LY24になった時に初めて今までとは全く違う突き抜ける成果を生み出しました。今までとは全く違う開花の仕方。その姿は根付きで開花を進めているような姿でした。
新剤開発から24番目になるタイミングでした。
そのLY24の剤の調整を繰り返し、LY25が誕生しました。

 

今回のLY LilyはこのLY25という名前を持つ前処理剤で産地収穫後前処理を行っています。
このLY25をベースに開発は今も継続して行われています。

現在60番目を越える剤の開発まで到達し、他の品種、他の花の色での開発と検証を繰り返しています。

 

終わりの見えないこの開発の先に、百合を多く飾られ喜ばれることを願ってやみません。

 

 

OTユリとは?

 いま生花店などで販売されて百合の種類は多彩で色んなユリが生産されて
います。

 

カサブランカを代表とするオリエンタル百合。
そのオリエンタル百合にT(トランペット百合)を品種改良の時に

交配した品種がOTユリです。

 

このOTユリ。オリエンタルの良さを生かし、花がとても大きなものが多く

花色も多くあります。

黄色やオレンジなどオリエンタル百合にない花色もあります。

また、白やピンク、赤などの品種も花が大きく大変豪華なユリが多いです。